佐藤B作と同じ名前をつけられるか?


 まさかやろうとする人はないでしょうが、俳優でタレントの
佐藤B作さんと同じ名前をわが子につけることはできるでしょうか?
 これはもちろんできません。アルファベットは実名には使えないからです。佐藤B作さんは芸名だからつけられるので、彼の本名は佐藤俊夫といいます。
 佐藤B作という芸名は、かつて同じ名字の佐藤栄作という首相がいたころ、友達から「おまえさんは佐藤エーサクみたいに偉くないからビーサクだ」とあだ名されたことから生まれたものです。
 このように、人に言われたコトバをそのまま名のった例は、歴史上にもあります。
 有名なのは、明治時代の作家で、ロシア文学の研究家としても名高い二葉亭四迷(ふたばていしめい)です。子供のころに父親から「くたばってしまえ」と叱られ、そのコトバからこのペンネームをつくりました。
 また昭和期の作家、坂口安吾(さかぐちあんご)もそうです。本名は坂口炳五(へいご)。炳の字は「明るい」の意味で、今は名前に使えない字ですが、彼が生まれた明治時代は制限がなかったので使えたのです。
 子供のときから勉強が大きらいだった炳五は、学校の先生に、「おまえみたいなヤツは炳五じゃない、暗吾だ」といわれ、のちに小説家になってから安吾と名のりました。
 それにしても、人からコケにされたときのコトバをそのまま名のるというのは、なかなかのユーモアとゆとりです。コケにした人よりもスケールの大きさを感じさせ、「さすが成功する人はちがう」とも思わせます。