ナショナルからの脱出 |
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世界的な企業であるナショナル(松下電器)は、社名やブランド名をすべてパナソニック(panasonic)に統一すると発表しました。これまでの社名は正式には松下電器産業株式会社ですが、これはどなたも知るとおり、創業者の松下幸之助の名字からきています。 ではなぜ電気や電機でなく「電器」なのかといえば、創業者がはじめにつくった工場が「松下電気器具製作所」という名前であり、そこから「松下電器」になったといわれます。 ところでナショナルというのは、「国の」「国民の」という意味ですが、日本の国のなかでだけものごとを考える場合は、国民という言葉はよく使われます。むかしの日本のように、海外のことまであまり考えなかった時代には、「国民教育」「国民道徳」「国民学校」「国民唱歌」といった言葉がふつうに使われていましたし、「国民の物理学」などという妙なタイトルの本まであったくらいです。 いまでも外国人を想定しないことがらでは、国民年金、国民健康保険といった言葉が使われますが、世界的な視野で考えることがらに「国民」という言葉を使うとおかしくなり、その場合は国名を使うほうがわかりやすくなります。 たとえば国際線をもつ航空会社の社名の多くは、国名が含まれており、ナショナル航空というのはありません。nationalは「愛国的な」という意味もあり、国際社会で活動する企業が使うとヘンに聞こえます。 松下電器の場合は、日本国内でナショナル、外国ではpanasonicというふうに、永らくブランド名を使い分けしていたわけですが、それを今回、統一するわけです。 もちろんpanasonicという英単語はありません。これはpan(すべて)と、sonic(音の)をつないだ合成語です。はじめから辞典にのっているような英単語を使うと、すでにどこかの国で社名か商品名に使われているおそれもありますので、世界に向けて販路を開くには、どこの国にもないような言葉をあらたに作るほうがいいのです。 ちなみにこれと似た発想でつくられたのが、sonus(音をあらわすラテン語)から考え出されたSONYという会社名です。かつてトランジスターラジオを世界に売っていたこととよく合う社名がつくられています。 参考図書:「社名の由来」(本間之英・講談社) 「名前の不思議」(青春出版社) 「その名前には裏がある」(青春出版社) |
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