いい質問ですね 池上 彰 |
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私たちは日々のニュースを何となくわかったような気分でながめてはいますが、個々のニュースを本当に理解しようとすると、かなりの専門知識が必要になります。 そしてものごとは、聞いている人がよくわからないときは、説明している人もわかっていないことが多いのです。よくわかった人が説明すれば、「なるほど、そうだったのか」と聞いている人もよくわかります。その意味では、いま人気絶頂の池上彰さんのニュースの解説はまさに天才的といえるでしょう。
右側の三本線は光をあらわし、形、彫、影、彩、彦など、光や模様にかんする字に多く入っています。 つまり彰の字は「区分けする」「はっきりさせる」ということで、文字通りわかりやすくするという意味の字なのです。おそらく名前をつけた親は、「あいまいにしない」「はっきりする」ということを重視する感覚をもっていて、名づけとともにそうした感覚が親から子へと受けつがれたのではないでしょうか。こうした名前を専門家はテーマ(課題)名前とみます。 ところでいま、池上さんの「いい質問ですね」という言葉が大流行しています。たしかにものごとの本質にせまるような質問というのはあって、そういう質問はそのあと予定されている解説とうまくつながり、テレビ番組の流れもスムーズになり、見ている人もさらにわかりやすくなるわけです。 ただそれは、視聴者のために流すテレビ番組の場合です。もし私たちがどこかで、だれかに質問をするときは、とくに「いい質問をしよう」と気配りをする必要はないと思います。 私たちの多くは、正直な質問をしてバカにされたような経験があり、「ヘタなことを聞くと笑われる」とつい慎重になってしまいます。命名相談でも、「疑問の点は何でもご質問ください」と申しあげると、「ほかの人はどんな質問をしてるんですか?」と聞き返す人さえいます。でも大切なのは他人のことではなく、自分が何がわからないか、です。 じつは研究者のきわめて少ない命名の世界では、専門家自身がわからないことにぶつかっても聞く人もなく、一人ぼっちで取り組まなければなりません。そして「いい質問をしよう」などとカケラも思っていない人から素朴な疑問を正直にぶつけられたとき、意表をつかれてモノが言えなくなることもあります。天才児・池上彰さんのようにはいかないのです。 そしてそういう質問こそが、じつは自分自身がだれかに聞きたかったことであり、それに取り組むことで思わぬ発見につながることがあります。素朴な疑問こそ、重要なヒントになることが多いのです。 かつて命名相談に来られたかたに、「辞典をみても漢字の意味がよくわからないんです。どうしたらいいでしょう?」と聞かれたことがあります。その時も返答に困りました。こういうことは、ヘタに学校の先生などに言うと叱られてしまうかもしれません。でもその質問の答をさがして何年もとりくんだ結果、それまで気がつかなかった漢字の本当の姿、辞典のもつ問題点がハッキリ見えてきました。まさに漢字というものの本質にかかわるご質問だったのです。それからは、同じことを聞かれても的確にご説明できるようになり、命名の本を書くさいも、ただ辞典を写すのではなく、プロとしての漢字の解説を書けるようになりました。 私たちは回答者に都合のいい質問を考えてあげる必要などありません。自分自身のいつわらざる疑問は、他人からよい、悪いと分類されるものではなく、それこそがものごとの本質をつかむきっかけになることが多いのです。「学問」とはよく言ったもので、まさに「問い」を学ぶことであり、自分の正直な「問い」こそが、本当の「学」につながるのです。 |
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