よい名前は よい名づけから



 ●基本と注意点


 
 
 
 









 

  





■ 名づけに隠された意味 (ウラで何が伝わるか)

世間で語られない名前のからくり
      
       名づけで、何がお子さんに伝わるのでしょうか?

 「名前は子供に影響する。責任重大だ」とよく言われます。でも、お子さんにどう影響するのか、ということはほとんど知られていません。
 もし名前で本人の生き方がきまるなら、たしかに責任重大ですが、逆に名づけは簡単で、みんなお金や地位や人望を得られるような名前をつけて安心していればいいわけです。でも実際は名前で本人の生き方が決まるという事実はなく、名前の専門家でそんなことを言う人もいません。
 では名前は本人とつながらないのでしょうか?
 じつは名前自体は直接本人とはつながりませんが、では名づけはいいかげんでもいいのかというと、とんでもない話で、名づけはお子さんに大きく影響します。
 名前が本人とつながらず、名づけが影響するとは、どういうことでしょうか?
 じつは
お子さんに影響するのは、名前をつけたときの「感覚」です。感覚は形で見えないので私たちが気がつきにくいだけで、名前をつけることによって、名前自体ではなく、水面下で感覚が伝えられているのです。

               
 → 名前 → 
                 
            
親の実感    子の実感

 例をあげますと、たとえば勉(つとむ)という名前だけをいくらながめても、どんな人なのか、どんな生き方なのかはわかりません。同じ氏名でもさまざまな人がいますから。
 この名前をつけた親が、「勉強すればいろいろな道が開ける」と実感していたら、それが本人に伝わって勉強に夢をもつようになるでしょう。でも「勉強をサボらないようにとつけよう」という感覚だったら、「勉強はつまらない」という感覚が伝わって、本人も勉強がすきにはなりません。
 同じ名前でも、つけるときの感覚がちがえば、ちがう感覚が伝わります。ですから名前は本人と直接はつながりませんが、つけた親の感覚が子へと伝わりますから、名前と本人は親をつうじて間接的にはつながっているといえます。このように名前には、親子の間に流れる何かのテーマが表現されてはいますが、どんな感覚が流れているかは人によってちがいます。そこでできるだけよい感覚を伝えることが大切になるのです。


「子供の人格形成で重要なのは、名前そのものではなく、名付けた時の親の気持ちなのです」     筑波大名誉教授・高野清純氏(児童心理学)(讀賣新聞)

        真実の名づけ なぜホンネが大切なのでしょうか

 ごくおおざっぱな話ですが、昔から長男、長女より、下の子のほうが自由奔放な子が多いといわれます。それは親が子育てになれてきて、気楽になるからです。このようにお子さんには、名前でなく実感が伝わるのです。「子は親に似る」「子は親の鏡」というのは、世界中で知られた事実です。
 このように口で言うのは簡単ですが、実際の名づけとなりますと、「ああ大変だ…」「むつかしい…」と悩みながら名づけをするかたも意外に多いのです。そういう重苦しい感じがお子さんに伝わりますと、お子さんも悩みの人生になってしまいます。
 人の言うことに惑わされながら名づけをしますと、お子さんも正しい意見を見分けられなくなりますし、好きでもない名前をしぶしぶつけたりしますと、お子さんも不満な気持ちで生きるハメになります。
 よい名づけというのは、「幸せだ…」「うれしい」という感覚が、お子さんに伝わる名づけです。そのためには、ご自分のホンネを大切にし、「ナットクできた」「よかった」と思える名づけをすることです。そうすれば、
お子さんはどんな苦労をしようとも、自分の生き方にナットクできるのではないでしょうか。
 では、ご自分のホンネはどうすればつかめるでしょうか?
 
それは、世の中にある7つの名づけの全体を見ることです。ほとんどのかたは、そのいずれかにホンネがあります。ハイキングでいえば、全体の地図を見れば、
ご自分がどの道を歩いて、どこへ行きたいかわかるのです。全体の地図は普通には見る機会はないでしょうから、本サイトの
7つの名づけのちがいをぜひご覧ください。
 全体が見えていれば、何をしたいのかわかり、混乱しません。全体が見えませんと、ご自分のホンネもあいまいになり、人の言うことや世間のうわさにふりまわされ、どんな名前をつけても、「ナットクした」という実感がわきません。それではお子さんも、どんなめぐまれた環境にいても、ナットクできない人生になってしまいます。お子さんのためを思うなら、くれぐれもホンネとちがう名づけはしないことです。


    正しい名づけ なぜ難点のチェックが必要なのでしょうか

 ホンネはこのように大切なものですが、ここに危ない落とし穴があります。たとえば、ふざけ半分のギャグ名前、まちがった読み方の名前、男女さかさまの名前を、「これがホンネだ」と言ってお子さんにつけてもいいのか、ということです。こういうカンちがいもたまにあるのです。
 それは、お子さんに男女さかさまの服を着せて歩せたり、人にまちがった字の読み方を強要するようなことで、カゲで笑われたり、迷惑がられます。いくら「ホンネです」と言っても、それで本当に幸福を感じ、後悔することがないのか、それは疑問なのです。
 ホンネとは、目の前でふざけたり、わがままを言うことではありません。
人の名前を
乱暴にあつかうことは、社会への迷惑行為になります。
 名前は個人のもちもののように誤解されることもありますが、名前は国が管理する社会の共有物です。ですから「自分のものだからカッテに呼ぶな、書くな」と人に言えませんし、自分でもカッテに変えたり、すてたりはできません。
 
たとえていえば、みなで寄付する図書館の本みたいなものです。共有物になるものを破ったり汚したりしてもっていけば、社会への迷惑行為になります。お子さんの名前も、「どうしようが親のカッテだ」などと乱暴にあつかい、まちがった読み方の名前や男女わからない名前を戸籍にのせれば、社会の多くの人が迷惑します。もっとこわいのは、そういう感覚、姿勢がお子さんに伝わることです。
 やはり「人を大切にし、人に迷惑をかけない」という感覚がお子さんに伝わるためには、
お子さんがいやがらず、社会で人に迷惑をかけない名前、つまり難点のない名前にしてあげることが大切です。

 名前の難点のチェックは専門知識も必要で、ご自分でカンペキにやる方法はありませんが、でも難点のない名前にしようという気持ちをもつこと、そういう気持ちがお子さんに伝わることが大切です。
 そしてそれこそが、プロがもっともお役に立てることなのです。名づけ相談も、候補のお名前に難点がないかを調べ、また難点のない名前のリストをご提供することが中心になります。何十年も漢字の研究をし、命名相談で百万をこえるお名前を拝見しているプロは、名前に難点があれば気がつきますし、難点のない名前のリストを作成してご提供できます。


                牧野くにおの命名にかんする記事
                悪魔ちゃん事件にさいして 東京新聞