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最近の名づけ
キラキラネーム6つの大誤解


  
●キラキラネーム6つの大誤解

 他人に読めない珍名は、多くの人の批判もあび、DQN(ドキュン)ネームとよばれてきました。DQNとは、不良や暴走族など、あまり知的でない者をさす言葉です。これに対し、それを肯定し、賞賛するという発想から、キラキラネームというよび方も生まれ、今ではこちらが広まっています。
 ただどちらもはじめから「けなす」「ほめる」ということを前提にした言葉ですので、そうした先入観をさけるため、本サイトでは「珍しい奇抜な名前」の頭文字をとって、珍奇名前という言葉も使用しています。珍奇名前といっても、範囲は明確に決められず、また誤解されていることも多いので、話の整理をしますとわかりやすくなります。


1 珍しい名前は非常識、という誤解
A  B 
奈織 なおり
莉杏 りあん
美笛 みてき
煌晟 こうせい 
萌莉 もえり
雄惺 ゆうせい
愛藍 めであ
紗亜凛 しゃありん 
未桃 みんと
礼  ぺこ
大熊猫 ぱんだ
今鹿 なうしか
  
 上のBグループは過去にTVなどでキラ キラネームとして報道された名前です。
 Aグループはかつて命名相談で出された候補の名前で、やはり珍しいものですが、誰にも読みやすく、男女もわかり、難点がまったくなく、センスの良さを感じさせます。
 このように珍しい名前といっても内容はさまざまで、珍しい名前だからいけない、とは言えないのです

2 キラキラネームは新しい流れ、という誤解
  丸楠(まるくす)
  森英児(もりえーる)
  柏採(ぺーとる)
  武良温(ぶらうん)
  力王至(かおる)
  亜幌(あぽろ)
  貝倫(ばいろん)
  六十里二(むっそりーに)
  撒母耳(さむえる)
  利茶道(りちゃーど)
  正面(しめおん)
  提多(てとす)
  紅玉(るび)
  亜歴山(あれきさんどる)
  丈夫(ますらお)
  保羅(ぽーろ)
  元素(はじめ)
  西海枝(さいかち)

 これらは最近のキラキラネームのようにも見えますが、じつは80年以上前につけられた名です。「名乗辞典・荒木良造」「名前の読み方辞典」(いずれも東京堂出版)などにのせられています。名前の良し悪しは別として、知っておくべきことは、こういう名前
作るのに才能や個性はいらず、昔からすてるほどあったということです。今はこうした名前が再びよみがえって、付和雷同的に広まっている、というだけです。

3 親の知能が低い、という誤解
 「キラキラネームは、親がアホだとわかって便利だ」などと言う人もいますが、しかし珍奇名前をつけたがる親たちが、知能が低いという事実はありません。ただ、あまりに悪ふざけのように見える名前をつけてしまいますと、暴走族の落書きみたいなイメージにつながって、いかにも親の知能が低いように思われやすい、というのは事実です。

4 キラキラネームは個性的、という誤解
 珍奇名前を肯定する人たちがもっともよく口にする言葉が「個性」です。しかし珍奇名前と個性は何のつながりもありません。
 目の前で他人とのちがいだけを示すには、衣服、装身具、ブランド品、珍しいペットなど、てっとり早いものはいくらでもあります。もちろんモノを買うことと個性は関係ありませんが、ちょっと人目をひくことはできます。子供に珍奇名前をつけるのもその類のことです。
 ただ問題は、衣服や持ち物ならイヤになったら変えられますが、名前は一度つけたら容易に変えられず、自分とは別の人間である無抵抗な子供に一生背負わせるものだ、ということです。


5 名前のふりがなは自由、という誤解
 世間では「名前の読み方に関する法律はない」「だからどう読ませてもいいんだ」などという話も流れています。
 読み方を審査する役所では、まちがった読み方の名前に対して出生届の書き直しを指示することもありますが、最近は読み方の審査をせずに受理する役所も多くなってはいます。しかしだからといって、でたらめなふりがなの名前にしたら、名前としての役目をはたさなくなります。

 漢字を正しく読むというあたりまえのことは、名づけをする親の良識にまかされており、わざわざ法律で決めてはいませんが、法律にないから良識を捨てていいということではありません。

6 名前は本人のもの、という誤解
 「名前は本人のもちものだ」という誤解はよくあります。そこから「どうあつかっても自由じゃないか」「本人がこっちの名前に変えた、と思ったら、それが本人の名前のはずじゃないか」といった主張も出てきます。
 たしかに名前というのは親が作りますが、戸籍に登録されたら、国が管理する社会の共有物になり、個人の私物ではなくなります。ですから「私の名前を無断で呼ぶな、書くな」とは言えませんし、カッテに変えることもできません。
 わかりやすく言えば、みなでポスターを作って公共施設に貼るようなものです。「私が作るのだからどう作ってもいいんだ。人に読めるかどうかなんて余計なお世話だ」と言ったのでは、ポスターの役目を果たさなくなったり、他人に不快感を与えるもの、非常識で社会の迷惑になるものも出てきてしまいます。
 私たちは社会の中で多くの人と接し、世話になりながら生きており、
名前はその社会で広く、永く使われるものです。ですから名づけは社会人としての視野、他人に迷惑にならないような気遣いが必要なのです。